東京は昨日、今日と暑さ一服の感がありますが、昔ならこのまま急に秋になったりした気がします。しかしながら熱帯に近くなった最近ではこの程度では許してもらえそうもありません。元来、暑さに強く、今年もエアコンをほとんど使わなかった私ですが、6月にミャンマーとカンボジアに行き、40度の中、エアコンのない工場や工房をまわっていたので例年になく夏が長くて暑く感じられます。ただ、40度のカンボジアと比べて東京のほうが湿度がかなり高く、しかも不自然な暑さなのではるかに過ごしにくい気がします。

ネットに某教授が「7月下旬の東京は世界一暑かった」という記事を出し、温暖化対策のCO2削減は効果がなく、税金の無駄遣いであった、という主旨のものでしたが、いささか論理的に無理がある気がします。

「夏は暑い」と思うのは日本人の常識ですが、南半球で今の季節は冬です。そして四季があるのは温帯だけの話で熱帯に行けば日本の夏時期が最も暑いとは限らないです。たとえば赤道に近いジャカルタは年間の最高気温は月別に見ると30-32度でさほど変わりません。ですから真夏のジャカルタ出張は東京にいるより快適です。ジャカルタは東南アジアを代表する大都市(近郊を含むと人口2,224万人)かつCO2対策も遅れているのになぜ気温が上昇しないのか不思議な気がしますが高層ビルが少なくよく風が通るのは間違いありません。

8月上旬にミャンマーに出張した知人は東京より涼しかったと喜んでいましたが、私の行った6月は比べようもないほど現地が暑かったです。ベトナムの北部は冬場暖房がいると言うと驚く方が少なくないですが、「夏は他の季節より暑い」、「熱帯だから日本より暑い」というのは完全な思い込みに過ぎません。

地球の温暖化と言われ、確かにオゾンホールや北極、南極の氷が解けるなど説得力のあるものもありますが、素人考えでは世界的に人口が都市に集中する傾向にあり、近代化、工業化に伴い温度は上がります。通常、どこかに大雨が続くとどこかが砂漠化するというように地球上の気候はバランスが取れています。その論理で行くと都市部の気温が上がれば僻地の気温が下がるという現象はないのでしょうか。

先週パリの知人から気温が11度との知らせがありました。パリの夏はエアコンは不要らしいのですが、8月の平均最低気温は16度ですのでかなり低いです。このように平均とかなり差のある気温が出ると平均値そのものが狂うので平均値だけ比べて結論を出すのもいかがなものかと思います。

いずれにせよ、気温は自然の力による部分と都市の近代化のように人為的な部分があります。慎重な論議と対策が必要な気がします。

夏の疲れがたまってくる頃です。くれぐれもご自愛ください。