「ほんやら堂」のある暮らし

ほんやら堂の外部アドバイザーのYOKOさんは公私にわたってほんやら堂が大好き。 ほんやら堂の商品やそれにかかわる人々などをつづります。

2011年08月

日本と四季

相変わらず蒸し暑い日々が続いていますが、もう8月も最終日を迎え、朝夕はさすがに過ごしやすくなってきました。最近つくづく思うのは春と秋が異様に短くなっているような気がします。本来は行楽に、文化活動に、おしゃれにと春秋は最も適したシーズンだけにとても残念な気がします。

東南アジア諸国の雑貨の輸出業者向けに日本市場向けのマーケティングを教え始めてもう10年目になりますが、日本市場の特徴のひとつとして「四季の変化を取り入れたライフスタイル」というのがあります。日本人は共通の認識として四季の色、素材、食物、モチーフを持っています。また、この四季の変化が購買動機にもつながっています。

「四季」は温帯の国ならどこにでもありますので珍しいことではありません。この「四季の変化」へのこだわりこそ日本の特徴です。四季の変化を楽しむにはものがふえます。そこで「しまう」という文化が生まれます。押し入れをはじめ、小売店や通販に収納グッズがあふれています。しまう、つまり目に見えなくする事によりケジメをつけるのです。たとえば夏物をしまえば「夏は終わった」ことになります。

しまう必要性から箱やパッケージにもこだわりが生まれる一方、使い捨てのものは簡略化される傾向にあります。

猛暑ばかりがニュースになりますが、冬もだんだん早く来るような気がします。20代の頃は12月はコートを着ないで通勤する人もあった記憶がしますが、50代の今は11月にはもうコートを着ています。寒いのに弱い私は夏が終わるともう防寒グッズの手当てです。

ほんやら堂の秋冬グッズもそろそろ登場する頃、お気に入りの商品が見つかったら売りきれないうちに早めにお求めください。

昔の夏

今日は私の誕生日です。
暑いさなかに生まれたので暑いには非常に強いのですが、寄る年並みと今年は早くから真夏の暑さだったのでそろそろ「うんざり」状態です。エアコンが苦手ですので、ほんやら堂のひんやりジェル・グッズに囲まれて暮らしています。

私の年代はまだ貧しい日本、家電なんてなかった日本を知っている最後の世代だと思います。ものごころついた頃は家にあるのは電灯とラジオ、扇風機、あんか、くらいのものでした。冷蔵庫だって買ってきた氷を入れる箱でした。井戸水にスイカをつけておいて冷やしたり、陽のあたる窓にはすだれが取り付けられ、蚊帳も使っていました。

夕方は打ち水をし、所によっては縁台を出して大人たちが夕涼みがてらにおしゃべりをする光景が見られました。男性たちはちぢみの半袖シャツにステテコなんていう人もいましたし、甚平ルックもありました。女性は浴衣姿も多くみられました。子どもたちは線香花火なども楽しみました。

便利な今よりは文化の香りがする夏として私の心にずっと残っています。

小学生の夏休みには6時にラジオ体操があって眠い目をこすりながら会場まで通い、欠席しないと何かごほうびが出たような気がします。今なら「騒音」で訴えられるかも知れません。また、勤労奉仕として先生やPTAの見守りの下、グループに分かれて道路の清掃などをした記憶もあります。夏休み中会えない友だちとも会え、団体で行うとかなり広いエリアの清掃が可能で、その日はとても良い気分になれました。今ならこれも熱中症の危険などでやらないのでしょう。

思えばあの頃は30度を超えると相当暑く感じました。今は35度近くあるのが普通になりました。温暖化どころか熱帯化、これも車やエアコンからの排気、舗装道路からの照り返し、高層の建物が風を遮断する、など、文明が発達する事により自然の涼しさや暮らしの知恵まで失った結果です。

今年は節電モードでゴーヤ・カーテンなどが流行りましたが、そうやってライフスタイルを見直す良い機会になっていると感じます。



記事検索
月別アーカイブ
  • ライブドアブログ