「ほんやら堂」のある暮らし

ほんやら堂の外部アドバイザーのYOKOさんは公私にわたってほんやら堂が大好き。 ほんやら堂の商品やそれにかかわる人々などをつづります。

2011年12月

縁起かつぎのためのお節料理

東日本大震災、福島の原発事故を始め、本当にいろいろな出来事が世界中で起こった2011年でしたが、あと1日ちょっとで過ぎ去ろうとしています。皆様にとってどんな1年でしたか?そしてどんな来年であってほしいですか?

私自身はお正月だからといって仕事を休むわけでもなく、普通の1日として考えていますが、会社を持っているため縁起はとてもかつぐほうです。たとえばアポを取るならできるだけ「大安」の日とか、赤いペンで字は書かない(赤字は嫌ですね)などです。大掃除も1年の汚れを取るという意味でやります。そもそも「窓ガラスのくもっている家は栄えない」と言われますので、ガラスや鏡の掃除はいつも気をつけています。

さて、お正月につきものはお節料理です。昔は煮物や酢の物は家で全部作っていましたので30日、31日は大忙しでした。最近はデパートの高額お節から中華、イタリアン、フレンチなどバリエーションもいろいろです。そもそも昔はお正月はお店も休みだった事と、日々家事で忙しい主婦もお正月くらい調理をしなくてすむよう、来客も多い時期という事でお節料理に力が入ったのでしょうが、今は元旦ですら開いているお店は多いですし、毎日家で調理をする必要もない便利な時代です。お正月は海外旅行という人もふえ、お節料理とは無縁な人もいます。

ところが伝統的なお節料理は縁起の宝庫。いろいろ願いをこめてしっかりいただいてみてはいかがでしょうか。
紅白のかまぼこ。。。もちろんおめでたい色の組み合わせ。
伊達巻。。。巻物(本)に似た形状から知識がふえる事を願う。
栗きんとん。。。きんとんは金団で金の団子あるいは金のふとんという意味だそうです。金塊に見立てたもの。
昆布巻き。。。「よろこぶ」から。
お多福豆。。。福が多い事を願う。
紅白なます。。。紅白の水引きに見立てたもの。
ブリ。。。出世魚。
鯛。。。「めでたい」
レンコン。。。穴があいている事から先を見通せるように。
海老。。。腰がまがっている老人に見立て、長寿を願う。
鰻。。。「うなぎ登り」
くわい。。。大きな芽が出ることから「めでたい」、芽が出るから出世を願う。
ごぼう。。。地中に根を張る。細く長く幸せに。
サトイモ。。。小芋がたくさんつく事から子孫繁栄えを願う。
八つ頭。。。同じく小芋がたくさんつくこと、八は末広がりで子孫繁栄を願う。
黒豆。。。まめに元気で働く。
田作り。。。五穀豊穣を願い、田んぼに小魚をまいた事が由来。
数の子。。。にしんからたくさん取れるので子孫繁栄を願う。
コハダ。。。出世魚。

「語呂合わせ」と「見たて」から成り立っているところがおもしろいですね。先人たちはそうやってひとつひとつの食べ物に願いをこめて食べていた事がわかります。きっと今よりはるかに緊張感に満ちた毎日であったと同時にユーモアやウィットに富んだ人が多かったのでしょう。

祈りの年

2011年もあと2週間足らずで幕を閉じようとしています。今年は東日本大震災とそれに伴う原発事故という全世界を揺るがす年で、被災地から離れた人々も停電や商品不足といった不便を経験しましたが、多くの人の心の温かさを実感できた年でもありました。

メディアの発達により、災害は全世界にリアル・タイムでつながり、世界に点在する取引先や仕事仲間たちが心配してくれメールの山となり、状況説明やお礼を書くのに追われた時期もありました。また、夏にはシンガポールの元クライアントの社長が「日本の友人たちを励ましに」わざわざやって来てくれました。シンガポールの上場企業であり、東南アジアで最も成功した一族のおひとりですが、このようなやさしさと機動力が成功の秘訣のような気もします。

9月のブログ「夏じまい」http://trackback.blogsys.jp/livedoor/honyara_kawaguchi/52006807 
で同級生たちと「顔の見える」支援を行い、その後もコート、ジャケット、セーターといった防寒用の衣類を送りました。新品や1-2度しか袖を通していないものばかりで洗濯できるものは洗濯してアイロンもかけました。寒くなりかけた被災地の仮設住宅で洗濯をして着るのは大変だろうと思ったからです。6畳間いっぱいにしまってある衣類を引っ張りだし、整理に約1週間かかりました。

何と先日、支援している岩手の被災地からお礼にと完熟りんごが届いたそうで幹事役の同級生が届に来てくれました。「お礼なんか気にしてくれなくても良かったのに」と言うと皆の気持ちが伝わっているようで想像以上に喜んでくれ、現地と電話をしていて思わず涙ぐんだと同級生は言いました。それにしても何事もなかったかのように立派に育ったりんごたちでした。一段と寒さが厳しくなる季節を迎えどうかお身体に気をつけて希望を失わずに過ごしていただきたいと祈っています。

11日から2泊3日で中国の深圳に緊急の出張をしました。深圳の郊外の工業団地にあるメーカーの看板には「PRAY FOR JAPAN」の小さな文字を発見しました。メディアも入らない、また訪れる日本人も少ない所ですがひそかにしっかりとした祈りが伝わってきました。

深圳のホテルで出会ったフランスのビジネスマンも30年前に福島の二本松を訪れた事を思い出し辛いと言っていました。こうやって世界のどこかで見知らぬ人々が祈ってくれている、そう思うととてもありがたく、頑張る元気をいただきました。 
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