「ほんやら堂」のある暮らし

ほんやら堂の外部アドバイザーのYOKOさんは公私にわたってほんやら堂が大好き。 ほんやら堂の商品やそれにかかわる人々などをつづります。

2008年08月

品質について語る

先日、ほんやら堂の社長とお昼をご一緒する機会があり、話題のひとつとして「品質」がありました。中国で製造をする際は「日本向けは品質基準が厳しいので他国向けより単価が上がる」とのお話でした。

日本人の品質に対する厳しさは世界一と言っても良いでしょう。私自身も中国、東南アジアの国々の政府機関や工場をまわって必ず文句を言われることです。他の先進国が見逃すようなミスも日本人は検品で落してしまうので、結果単価を高くせざるを得ないわけです。でも高ければ日本人は買わないというジレンマがあります。その次に言われるのは「日本人はどんどんもっと安く、もっと良いものを、と要求する。良いものは高くて当たり前ではないか。」まことにごもっとも。「日本人は指示されなくてももっと良いものをもっと安く作ろうと自分で努力する習性があるからです。」と私は説明します。

日本人の職人気質的な良いもの追及心はバブル期に少し変わった気がします。海外ブランド・ブームで大量の海外製品が日本に流入したからです。たとえば、スポーツ・ウェアなどブランドは有名であっても縫製基準は従来の日本基準より落ちますし、その生産が途上国であっても消費者はあまり気にしなくなりました。

バブル崩壊後は消費不況と言われて久しいですが、だんだん賢い消費者がふえてきているような気がします。いわゆるオーバー・スペック(仕様過剰)で高いものより、自分の価値観にあったもの、あるいは耐用年数に見合った品質と価格のバランスで商品を選択するようになっています。たとえば、1シーズンで消費してしまう商品に3年間使えるような品質が必要でしょうか。もちろん同じ価格なら当然後者を選びますが、そんなことはまずあり得ません。

ほんやら堂の商品が売れる秘密のひとつはそこにあると思っています。「耐用年数と品質と価格のバランスがリーズナブル」という点です。品質面ではまだまだ改良の余地がある、でも使用期間と価格を考えると納得できる、と消費者は直観するのではないでしょうか。

「安全」というのも品質の重要な要素です。ほんやら堂の商品は手軽に買えても安全面をおろそかにしていないことも消費者に支持される秘密だと思います。

やっと北京オリンピック

昨日北京オリンピックが開幕しました。毎年10%台の経済成長を続ける中国ですが、数年前までは北京オリンピックまで成長を続けられるのか、バブルが崩壊するのではないかというやっかみ半分の噂から始まり、チベット問題、聖火リレーへの妨害、四川大地震、食の安全問題、爆破テロ、異様な警戒体制、大気汚染問題、北京市民の光と影など、話題満載で世界中が揺れながら、やっと開会式を無事に迎えたという感じです。

開会式では壮大な歴史絵巻のようなマス・ゲームを見せられ、文字通り「人海戦術。」少子化ニッポンではとてもあの人数の若者は集めようにも集まらないのでは?と思ったくらいです。衣装デザインは日本の誇るインターナショナル・デザイナー石岡瑛子さん。そのことは知らなかったのですが、デザインと色づかいを見て日本人の手によるものと直感しました。中国のオリジナリティを捨てても先進国のセンスに耐えるデザインにどうしてもしたかったのでしょう。ショーとしてはそれでも評価しますが、私としては中国の伝統色をもっと出しても良いような気がしました。

花火はダイナミックでしたね。さすがに火薬の発明国だけあります。

香港映画の流れをくんで中国映画もワイヤー・ワークを多用しますが、聖火の点火までワイヤー・ワーク。中国人ってアクロバティックな事が好きですね。またそういう特殊な才能を持った人がたくさんいます。

今回のオリンピックの良さは隣国ゆえに時差が1時間しかないこと、夏休みシーズンでもあることです。私自身は今年の8月はとても仕事が忙しいのですが、元来スポーツを観るのが好きですので、「リラックス」を口実に試合を見ています。ほんやら堂のTVまくらがあったら良いのに、とこの時ばかりは思います。

たくさんの感動と勇気をもらえるといいですね。
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