商売の世界では「にっぱち」と言うと「2月と8月は景気が悪い」という意味です。2月は寒さ、8月は暑さで客足が遠のくからです。私の家はリフォームを何回となくやって来ましたが2月と8月はどうしても天候により労働効率が悪いと思い避けてしまいます。ということは工務店関係は絶対にっぱちは良くないと思います。3月決算の会社が過半数あると思いますが、決算対策のセールも2月によくあります。客足が遠のくのを安さで引き寄せようという感じです。営業日数で売上が変わる業種ならば2月は日数が少ないのでやはり売上が少なくなります。おそらく、節分の恵方巻もバレンタインデーもにっぱち対策だったのではないでしょうか。

先日ニュースで豪雪地帯ではネットスーパーが繁盛していると聞きました。記録的な大雪で買い物にも出られずネットで注文した商品を雪道に慣れた宅配業者が配送しているそうです。東京にある私の自宅周辺でも宅配便が日と何度となく往来していますので「寒いから外に出ずにネットでお買いもの」という人もふえているのでしょう。通常の冬とは違うので防寒グッズがまだまだ売れそうな気がします。

経済学の世界でのにっぱちは「2割の人が8割の富を所有している」という意味に使われ、経営学の世界では「2割の社員が8割の仕事をしている」という意味に使われます。後者については残りの8割は「出来が悪い」のかと言うと決してそうではなく、直接売上につながらないけれど誰かがやらなければならない仕事をやっているのかも知れないし、未来のタネまきをしているのかも知れません。もちろん怠けている人もいるでしょう。

私の36年の社会人経験からすると2割の人は「楽しんで前向きに仕事をしている」残りの8割は「仕方なく」あるいは「惰性で仕事をしている」ような気がします。社会人になりたての頃先輩が「1日の3分の1以上は仕事をしなくてはいけない。その仕事が楽しければ人生の3分の1以上楽しく過ごせるのだから幸せだ。」と。仕事をすれば報酬がいただけます。報酬がいただけるという事は「誰かの役にたった=評価された」事で、これは人間としての喜びのひとつであるような気がします。そして前向きにひとつひとつチャレンジして積み上げていく事、これこそ仕事の面白さだと思います。