東日本大震災、福島の原発事故を始め、本当にいろいろな出来事が世界中で起こった2011年でしたが、あと1日ちょっとで過ぎ去ろうとしています。皆様にとってどんな1年でしたか?そしてどんな来年であってほしいですか?

私自身はお正月だからといって仕事を休むわけでもなく、普通の1日として考えていますが、会社を持っているため縁起はとてもかつぐほうです。たとえばアポを取るならできるだけ「大安」の日とか、赤いペンで字は書かない(赤字は嫌ですね)などです。大掃除も1年の汚れを取るという意味でやります。そもそも「窓ガラスのくもっている家は栄えない」と言われますので、ガラスや鏡の掃除はいつも気をつけています。

さて、お正月につきものはお節料理です。昔は煮物や酢の物は家で全部作っていましたので30日、31日は大忙しでした。最近はデパートの高額お節から中華、イタリアン、フレンチなどバリエーションもいろいろです。そもそも昔はお正月はお店も休みだった事と、日々家事で忙しい主婦もお正月くらい調理をしなくてすむよう、来客も多い時期という事でお節料理に力が入ったのでしょうが、今は元旦ですら開いているお店は多いですし、毎日家で調理をする必要もない便利な時代です。お正月は海外旅行という人もふえ、お節料理とは無縁な人もいます。

ところが伝統的なお節料理は縁起の宝庫。いろいろ願いをこめてしっかりいただいてみてはいかがでしょうか。
紅白のかまぼこ。。。もちろんおめでたい色の組み合わせ。
伊達巻。。。巻物(本)に似た形状から知識がふえる事を願う。
栗きんとん。。。きんとんは金団で金の団子あるいは金のふとんという意味だそうです。金塊に見立てたもの。
昆布巻き。。。「よろこぶ」から。
お多福豆。。。福が多い事を願う。
紅白なます。。。紅白の水引きに見立てたもの。
ブリ。。。出世魚。
鯛。。。「めでたい」
レンコン。。。穴があいている事から先を見通せるように。
海老。。。腰がまがっている老人に見立て、長寿を願う。
鰻。。。「うなぎ登り」
くわい。。。大きな芽が出ることから「めでたい」、芽が出るから出世を願う。
ごぼう。。。地中に根を張る。細く長く幸せに。
サトイモ。。。小芋がたくさんつく事から子孫繁栄えを願う。
八つ頭。。。同じく小芋がたくさんつくこと、八は末広がりで子孫繁栄を願う。
黒豆。。。まめに元気で働く。
田作り。。。五穀豊穣を願い、田んぼに小魚をまいた事が由来。
数の子。。。にしんからたくさん取れるので子孫繁栄を願う。
コハダ。。。出世魚。

「語呂合わせ」と「見たて」から成り立っているところがおもしろいですね。先人たちはそうやってひとつひとつの食べ物に願いをこめて食べていた事がわかります。きっと今よりはるかに緊張感に満ちた毎日であったと同時にユーモアやウィットに富んだ人が多かったのでしょう。