2011年もあと2週間足らずで幕を閉じようとしています。今年は東日本大震災とそれに伴う原発事故という全世界を揺るがす年で、被災地から離れた人々も停電や商品不足といった不便を経験しましたが、多くの人の心の温かさを実感できた年でもありました。

メディアの発達により、災害は全世界にリアル・タイムでつながり、世界に点在する取引先や仕事仲間たちが心配してくれメールの山となり、状況説明やお礼を書くのに追われた時期もありました。また、夏にはシンガポールの元クライアントの社長が「日本の友人たちを励ましに」わざわざやって来てくれました。シンガポールの上場企業であり、東南アジアで最も成功した一族のおひとりですが、このようなやさしさと機動力が成功の秘訣のような気もします。

9月のブログ「夏じまい」http://trackback.blogsys.jp/livedoor/honyara_kawaguchi/52006807 
で同級生たちと「顔の見える」支援を行い、その後もコート、ジャケット、セーターといった防寒用の衣類を送りました。新品や1-2度しか袖を通していないものばかりで洗濯できるものは洗濯してアイロンもかけました。寒くなりかけた被災地の仮設住宅で洗濯をして着るのは大変だろうと思ったからです。6畳間いっぱいにしまってある衣類を引っ張りだし、整理に約1週間かかりました。

何と先日、支援している岩手の被災地からお礼にと完熟りんごが届いたそうで幹事役の同級生が届に来てくれました。「お礼なんか気にしてくれなくても良かったのに」と言うと皆の気持ちが伝わっているようで想像以上に喜んでくれ、現地と電話をしていて思わず涙ぐんだと同級生は言いました。それにしても何事もなかったかのように立派に育ったりんごたちでした。一段と寒さが厳しくなる季節を迎えどうかお身体に気をつけて希望を失わずに過ごしていただきたいと祈っています。

11日から2泊3日で中国の深圳に緊急の出張をしました。深圳の郊外の工業団地にあるメーカーの看板には「PRAY FOR JAPAN」の小さな文字を発見しました。メディアも入らない、また訪れる日本人も少ない所ですがひそかにしっかりとした祈りが伝わってきました。

深圳のホテルで出会ったフランスのビジネスマンも30年前に福島の二本松を訪れた事を思い出し辛いと言っていました。こうやって世界のどこかで見知らぬ人々が祈ってくれている、そう思うととてもありがたく、頑張る元気をいただきました。