いよいよ東京に開花宣言。私の自宅の周りには桜を植えた公園、遊歩道だらけ。まだ咲いているのを確認できませんが、ピンク色のつぼみに覆われ枝まで赤く染まっています。

私はお花見ランチおすすめ派。会社員の頃も外国人のお客様を連れて新宿御苑でお花見ランチをしたところ、今までの中で「一番印象に残る接待」とおほめの言葉をいただいた事があります。数年前はアークヒルズにオフィスがあるクライアントから桜を見に来ませんか?との電話があり、デパ地下でお弁当を買ってランチをしたことがあります。その年は寒くて昼間でも中綿入りのコートを着て手袋をはめ、ぶるぶるふるえながら撮った写真が残っています。

最近気になるのは「桜のお酒」、塩漬けの桜に焼酎を入れて飲むものから、さくら色をした日本酒やワインまで本当にたくさんの種類が出回っています。酒豪には「邪道」と言われそうですが、ふだんお酒をあまり飲まない人も買ってみたくなる商品群ではないでしょうか。

先日商店街でこんな風景を見かけました。ホームレスの中年男性がどこかへ向かって最敬礼をしているのです。その先にはイタリア料理店のオーナーがコック姿で立っていました。オーナーは「いいよ、いいよ、お礼なんて。気をつけて行きなさい。」と言いました。おそらく食事をあげたのでしょう。ホームレスはカートを引きながら2-3歩進んでは振り返りまた深ぶかとお辞儀をしました。「いいんだよ、お礼は。」とオーナーも繰り返しながら2階の店から降りて来たままずっと見えなくなるまで見送っていました。世の中には寄付と称した宣伝広告もたくさんありますが、このオーナーの善意は損得勘定ぬきのものです。

桜が咲けばホームレスの人も過ごしやすくなるでしょう、オーナーの店のテーブルにもきっと春のメニューが彩りを添えるに違いありません。人の心にも花が咲く春、そんな思いでこの美しい光景を見ておりました。