東京は桜が満開です。2月に大雪に2度も見舞われ今年の桜は遅いと思っていましたが、先週の火曜日に突然開花宣言、例年より早い桜となりました。

私の住んでいる所は桜の古木が多いです。電線をはるかに超える桜の古木が何本もあるお宅や武蔵野のおもかげを残す川べりにはいろいろな種類の桜が植わっており、どこへ行っても桜が咲いています。桜のみならず、公園には赤やら淡い色のボケ、鮮やかな黄色のシナレンギョウ、白くて大きなモクレンの花、赤やピンクの椿の花、ボランティアのグループが手入れしてくれているパンジーなどの花壇、と墨絵のような冬色の景色から一気に彩あふれる春の景色に変わる時です。普段はあまり感じませんが、国際的な大都市でありながら自然に囲まれて生活できるありがたさをつくづく感じます。

今年テレビで覚えた言葉があります。「花起こしの雨」。桜が咲く直前に降る暖かな雨のことです。実は土曜日は思うほど花が咲いておらず、日曜日は雨かつ時々強い風が吹いていました。でも一気に満開になり、まさに花起こしの雨のような気がしました。

もうひとつはfacebookの友達に教えてもらったのですが「花養天」(かようてん)という言葉です。実は曇りのことで花曇り、おかげで桜を散らさずに保つことができます。桜の頃の東京は雨が降ったり、風が強かったりと私たちをハラハラドキドキさせてくれます。あっけなく散るのも寂しいものですが、ずっと咲いているのもなんだか興ざめのような気がします。

「花曇り朧(おぼろ)につづく夕べかな」与謝蕪村。おぼろげな人生と人生の夕べを掛けた句です。

日本に桜ソングはあまたありますが、最後にひとつ、インドネシアで日本語を学ぶ学生たちが作った「桜よ」という歌の一節をご紹介します。

「桜よ 咲き誇れ 日本の真ん中で咲き誇れ
日本よ咲き誇れ 世界の真ん中で咲き誇れ
私よ咲き誇れ この道の真ん中で咲き誇れ」
東日本大震災の後もインドネシアから500人の学生たちによる大合唱の動画がYou TubeにUPされましたが、元気をもらえます。

節目の春、みなさんも咲き誇ってください。