最近、自宅の近くの公園には一気に紫陽花がふえたような気がします。公園に花を植えるボランティアが何チームもあるのですが、きっとその方がたのおかげだと思います。紫、青、ピンクのグラデーションの手毬のようなセイヨウアジサイもかわいらしいですが、ガクアジサイも古風でエレガントな風情があります。雨にぬれている紫陽花を見ると梅雨もいいものだな、と思えてくるから不思議。まさに自然の贈り物です。

学名はヒドランジア、もしくはハイドランジアといい、「水の器」という意味だそうです。鉢植えにして売っているものには「ハイドランジア」と書いてあったような気がします。私はてっきり「ハイドランジア」という園芸品種だとばかり思っていました。

調べたところ、あの青はアントシアニンの一種で土壌が酸性だとアルミニウムを吸収して青く、アルカリ性だとアルミニウムを吸収しないので赤くなるのだそうです。同じ株でも色が違うのはアルミニウムの送られてくる量が違うから。

こんなきれいな紫陽花ですが毒性があるそうです。遊び半分でも絶対食べないでください。小さなお子さんやペットのいる家庭では絶対注意です。

何とガクアジサイは日本原産。セイヨウアジサイはガクアジサイを品種改良されたものだそうで、日本人にとっては昔からなじみ深い季節の花です。万葉集にも二首詠まれていますが、私の好きなのは平安後期の藤原定家の
「あぢさゐの 下葉にすだく蛍をば 四ひらの数の添ふかとぞ見」
あじさいの下葉に蛍がいて光を放ち、あたかも花が増えたかのように見えるという意味ですが、名画に出て来そうな素敵な景色が頭に浮かびます。

うっとうしい季節に入りましたが、どうぞご自愛ください。