先日、あるお店に行ったところ、七夕祭りのイベントが始まっており、「かっこよくなれますように」と書いた10歳の男の子の短冊を発見。「格好良い」というのは外見をさすばかりでなく、内面の格好良さもあり、また個々人によって多少価値観も変わりますが、「格好悪い」大人にだけはなりたくないと思いましたのでなかなか含蓄のある願いです。当の本人はそこまで考えなかったかも知れませんが。

と言うわけで七夕について調べてみました。
日本の伝統では「五節句」のひとつで、1月7日(七草)、3月3日(桃の節句)、5月5日(菖蒲の節句)、7月7日(竹、笹)、9月9日(重陽(ちょうよう)という菊の節句)があります。昔は旧暦でのお祝いでしたが、日本人は四季の変化を草花をモチーフとして取り入れて楽しむのが上手な民族という表れでもあります。

今でも旧暦で祝う所もありますが、新暦での東京の晴れの確率は26%(梅雨の最中の事が多い)に比べ、旧暦では東京の場合晴れの確率53%と旧暦に軍配が上がりそうです。天の川、織姫と彦星の年に1度のデートに思いをはせるのもやはり晴れのほうがいいですよね。

しかも旧暦だと立秋以降の事が多く、本来は「七夕」は秋の季語だったと知り、改めてびっくりです。新暦だと子どもたちにとっては夏休みの始まる前で、大人にとっても本格的な夏への変わり目で「七夕」というと明るくアクティブなイメージが現代人には強いのではないでしょうか。

七夕は中国が発祥の節句でベトナムでもあるそうです。日本では短冊に願い事を書いて葉竹につるすのが一般的ですが、中国では五色の糸で飾るようです。「たなばたさま」の歌にもある「五色」とは五行説に基づく緑(木)・紅(火)・黄(土)・白(金)・黒(水)です。金が黄色で、水が白、土が黒かなと最初思ったのですが間違いでした。たしかに黄土色という表現もありますし、金の光輝くさまは白とも言えます。でも水が黒とは水道の蛇口から出る水を見ている限りイメージがわきません。何事も奥深いものです。

今年も半分過ぎました。さて、あなたは短冊にどんな願いを書きますか?