今日はほんやら堂でIT導入に関してご指導をいただいているチルワークの坂本代表にお話をうかがいます。坂本さんはITコンサルタントでもあり、社会起業家でもあります。
★まず、ご自身についてお話を伺いたいと思います。銀行のシステムエンジニアを皮切りに3MACHI(https://3machi.com/)を起業されるようになったきっかけは何だったのでしょうか。ITによる街おこしですよね。ご専門を生かしながら地元に貢献をする、すばらしいアイデアだと思いますが、どんなことが大変でしたか?
(坂本さん)
今住んでいる戸田市は、都内の職場に通うための寝に帰るだけの場所でした。それがコロナの影響で自宅にいる時間が長くなり「住んでいる街」について考えるようになりました。例えばテイクアウトできるお店の情報をネットやSNSで検索してもほとんど出て来ず、IT活用の遅れを実感しました。地域を活性化させるのは地域の人間です。待っていても誰も動いてはくれません。地域活性化に向けて自分の貢献できることをやろうと決めました。
大変だったのは、地域貢献と稼ぐことの両立です。「お金があるか/ないか」で「できる事/できない事」が大きく変わります。理想は地域で稼いで地域に還元していくことですが、地域という限定されたマーケットや、地域のITへの理解・浸透度に対し、今の自分の能力では地域だけで稼ぐということはできませんでした。
★★そしてチルワーク(https://chillwork.net/)へと展開されたのはコロナでリモートワークが普及、定着しつつあることで判断されたのでしょうか?まだスタートされたばかりですが、新たな発見のようなものはありますか?
(坂本さん)
チルワーク(コワーキングスペース)の展開の理由は地域貢献以外に2つあります。
1つ目の理由は「自分がとても必要としていた」からです。つまり自分と同じ環境・立場の人も必要としているだろうなという事。戸田市在住の社会人の約40%が埼玉都民(職場が都内)である事実と、都内の企業のリモートワーク導入率を見てマーケットも十分あると見込んだからです。
2つ目の理由は「別の仕事をしながら運営ができる」からです。いくらマーケットが見込めたからといって大儲けできるようなビジネスモデルではありません。前述したとおり地域だけで稼ぐことは難しいので、他の仕事をやりつつ運営していく必要があると考えました。自動化はITの真骨頂です。長年IT畑で仕事をしてきた経験を活かし無人運営できる仕組みを考えました。
webサービスにおいて「提供側の説明なくてもユーザーが快適に使えること」が最高のプロダクト設計だと思っていますが、それはコワーキングスペースのような有形商材においても同じだなと思いました。プロダクトデザインやUXに対して理解が深まった気がします。
★★★ほんやら堂のお仕事をされるきっかけとなったのはどんなことだったのでしょう?いつからどんなお仕事をされていますか?
(坂本さん)
2021年1月に「困りごとを持った中小企業」と「専門家」をつなぐサービスでマッチングしたのがきっかけです。BtoBマーケティング・プロセスをIT導入により改善、加速する為のお手伝いをさせていただいております。
★★★★ほんやら堂で最初お仕事された時の印象とずっと一緒にプロジェクトを続けて来た現在とでは印象は変わりましたか?
(坂本さん)
変わらないです。皆さん人柄が良くて、これまで一緒に働いてきた方々の中でもトップクラスの人柄の良さを感じています。
★★★★★そう言っていただけ、大変うれしいです。ありがとうございます。最後にアドバイスをお願いします。ほんやら堂のような小さな企業では人手不足や社員の高齢化が今後も懸念され、ITによる問題解決が期待されるところですが、社内にシステム要員がいない、システム経費にも限度がある、誰に何を相談していいかさえわからないという状況の企業が多いと思います。まず何をしたら時間も費用も無駄なく進められるでしょうか?
(坂本さん)
システム要員の採用がベストです。ゴリゴリのエンジニアやプログラマではなく「第一線からは退いてITが苦手な人達の役に立ちたい」という人を採用すると良いです。人材の見極めに関しては、外部のITに強い人間から助言をもらうと良いです。時間も費用もかかりますが無駄がない方法かと思います。社内にシステム要員がいない状態で外注に費用をかける方が、外注を活かしきれず無駄が生まれる可能性が高いです。
★★★★★★よくわかります。外部の方ですと業務内容を十分把握できないし、内部は素人集団ですから上手に希望を伝えられないなど、意思の疎通がうまくいかないことも多いからでしょうね。今日は長時間ありがとうございました。今後もほんやら堂へのご指導をよろしくお願いいたします。また、ご事業のますますのご発展をお祈りしております。
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