今回はほんやら堂の藤永辰美社長にコロナ禍での社内外の変化と抱負についてお話しいただきます。
★前回この「ほんやらな人々」に登場いただいたのは2021年1月のことで、コロナ禍での対応が話題の中心で多くの方が関心を持って読んでくださいました。それから1年半以上も経過していますがコロナはいまだ収束どころか、変異株が次々と現れ、感染者が急増という事態に陥っています。当時、コロナを楽観視していなかった方々ですらこんなに長く影響を受けるとは思わなかったのではないでしょうか。長引くコロナ禍、異常気象、そしてウクライナへのロシアの侵攻、安倍元首相が遊説中に撃たれるといった、不安なできごとばかりですが、この数年で世の中はどのように変わったと感じておられますか?ビジネスのやり方、あるいは業界や取引先で起こっていることなど具体的な例があればお願いいたします。
(藤永社長)
世の中的には、デジタル化が、コロナで加速したように思います。もっとも重要なポイントだと考えています。
業界的には、コロナ前と売れるものが急激なスピードで変わっていったこと。業績不振を背景に社長交代や、市場から退出される企業が増えてきたように思います。これから、プレイヤーがもう少しシャッフルされ新陳代謝が行われるのではないでしょか。
ビジネスのやり方としては、オンライン販売や、リモート商談など、デジタルツールを使ったビジネスへの転換に皆が注目しました。また、変化に対応できるオペレーションのスピードが勝敗を決定する要因になり、有事のマネージメントへ舵を切ったところが多いと思います。
また、これまでの売上拡大重視から転換し、粗利益や現金などのKPIを重視したマネージメントへ方針が変わったのではないでしょうか。
DX、スピード、売上から粗利益重視へ転換が、ビジネスではポイントになりました。
その結果、お客様(取引先)は、急激に変化した時代に、適応しようとECに力を入れたり、品揃えを一変させたり、一生懸命だったところと、変化を望まずゼロゼロ融資で生き延びているゆでガエルの会社と、2極分化しているように思います。
雑貨業界は、業績を見ていくと、この業界は2016年ごろにピークを迎えたと考えられ、雑貨専門店の多くは、ファスト雑貨と、ECにシェアを奪われ、既存店売上高は落ちています、未来が見通せない時代だからでしょうか、業績の悪くないメーカーや店舗が、M&Aを選択しています。
業界を代表する東急ハンズも、東急不動産から、カインズへ経営母体が変わりました、業界の今を象徴する出来事として、関係者に驚きが広がりました、これからますますプレイヤーが2極化し、淘汰が進んでいくのではないでしょうか。
★★次に社内の変化についてお伺いしたいと思います。ほんやら堂はこの環境下でも良い業績をキープしています。新商品も精力的に出しています。商品企画的にはどんな変化があったでしょうか。コロナ禍だから出せた商品、あるいはヒットした商品があれば教えてください。逆にコロナ禍で出せなくてさびしい、チャレンジしにくい商品というのがあればお願いします。
(藤永社長)
弊社の強みは、ギフト商品にありますが、コロナ禍の市場でギフト需要が縮小し、とても苦戦しました。その代わりに、効果の実感できる巣ごもり商品に、需要が集まり、クッション、入浴剤など家中で使うものが売れました。
特に、アイケアを打ち出した「ながら温アイマスク」という商品は弊社を代表する商品に育ちました。また、安眠シリーズもなくてはならない商品になりました、実感できるケア商品(お悩み解決)に力を入れています。
コロナ禍ならではの商品としては、これまで取り組んでいなかった衛生用品(特にマスク)にデザイン性を持たせた商品化を行いました。特に他社に先駆けて商品化したCOOLマスクは大ヒット商品になりました。
ただ、売れる商品仕様の変化スピードが速く、資本力のある大手も参入しましたので、今は商品化を控えています。
2020年から始まったコロナ禍も3年目を迎え、変化が出てきています、この2月からギフト需要が急回復し、また、4月頃からは、家中から家外商品が売れるようになりました、その結果業績もアップトレンドで推移しています。
★★★営業活動についてお伺いします。出張がしにくい時期も長かったですし、大規模の展示会なども開けない時期もありました。営業担当のスタッフは苦労されたと思います。
(藤永社長)
はい、そうですね。でも、すぐに時代適応しデジタルツールを使った商談や、展示会にチャレンジしてくれました。
★★★★ワーキングスタイルについてはどうでしょう。ZOOMを利用した会議が定着していますし、在宅勤務をしているスタッフもいます。職種にもよると思いますが、移動時間を有効に使えるという意味ではリモートの意義は大いにあると思います。また、ITの活用についても試行錯誤を重ねながらインフラ整備が進んでいますね。
(藤永社長)
はい、コロナのお陰で、効率の良い働き方ができているように思います。テレワークは、縛りなく自由に自分で選択できますし、リモートツールのお陰で、効率の良い働き方を選択できます。
弊社はスタッフの高齢化という問題を抱えています、人材の刷新と、業務のDXを進め生産性を上げて行きたいと思っています。
★★★★★最後におうかがいします。円安やウクライナへのロシア侵攻、それに伴う原料高、物価高、世界的な異常気象、安倍元首相銃撃事件などパンドラの箱をあけたように次から次へと不安なことが起こっています。バンドラの箱の最後に残るのは「希望」ですが、私たちはどんな所に希望をつないでいったら良いのでしょうか。ほんやら堂は癒しや健康につながる商品を世に送り出し続けてきました。その役割はいっそう重要になると思いますが何か新しい試みを考えておられますか?
(藤永社長)はい、希望は、自分の頭の中にあると考えています。今与えられた環境を、大変だなあと考えるか、チャンス到来だ!と考えるのでは、その後の未来が大きく変わっていきます。希望とは自分の考え方そのものなのかもしれません。
私たちは多くのパートナーに支えられて、存在させていただいています。これからは、もっともっと多くのパートナーと繋がっていき、可能性を広げていきたいと思っています。
まだ自分たちの枠組みの中にない、パワーコンテンツと積極的にコラボしたり、異分野の企業や人材とも業務提携したりして可能性を広げる活動に勇気を持って取り組んでいきます。
このような時代だからこそ、恐れや怒りのダークサイドへ陥らず、希望や勇気をもって、会社、社員、パートナー、社会に貢献できるよう頑張ります。
世界が平和でありますように、そして豊かでありますように。
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